ソトコト7月号 連載「メモリミックス!! 記憶が編みなおされる時」

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先月に引き続き、アサダワタルさんの連載です。


誰かの日常を垣間見た後、なぜか感じる懐かしさについて、
そして、日常記憶地図の「場所の力」を顕在化させること、について書いてもらいました。



また、日常記憶地図の姉妹プロジェクトである、
一時間旅行 - 日常から一歩外へ -
の「自分の日常の外へ」ことと「誰かの日常の中へ」についても紹介いただいています。

一時間旅行「早朝の大阪城公園」 笹尾和宏
一時間旅行 日常を観る「地元っ子の谷町四~六丁目」笹尾和宏 / サトウアヤコ


一時間旅行は、日常記憶地図の1年後に公開したプロジェクトです。
「日常」と「旅」をセットで提示したかったのですが、それをつなげて書いてもらえてとてもうれしいです。


SOTOKOTO(ソトコト) 2015年 07 月号 [雑誌]

SOTOKOTO(ソトコト) 2015年 07 月号 [雑誌]

- 日常を想起する - 日常記憶地図ワークショップ (大阪:20150623)

祖父母-孫、親-子で、日常記憶地図を描くことで記憶や愛着の伝達ができないか、とわりと早い段階で思っていました。
募集をしてみたり、日常記憶地図に興味を持ってくれた人にやってみないか聞いてみたりもしたのですが、「ちょっと難しい」という反応が圧倒的に多かったです。

また、今年に入ってから、「もういない人の日常」を「日常記憶地図」で描けないか、という質問を続けて2回いただき、私個人としてもやりたいと思っていたことだったので、

「以前の日常」なら、その方が今どうされているかということとは別に、記憶から取り出すことである種の復元ができるのではないかと思いました。
日常記憶地図が、家族・友人・親戚など複数の関係者の声を集めるお皿としても機能すればよいと思います。



※今回は満席になってしまったので〆切っております。
twitterfacebookでコメントやメッセージをいただければと思います。
その際、誰の「地図」を描くが合わせてお知らせください。(自分のではない誰かの「地図」を描く方を優先したいと思います)

合わせて、スペース提供してくださる方も募集しております。


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今はもういない人が、好きだった場所や散歩道がふとした瞬間に思い出されます。
全部覚えておきたいと思っていても、年単位で少しずつ記憶は薄くなるのでしょう。


会話や、光景の、ちょっとした記憶を集めて、
その人が元気だったころの習慣や、一緒に歩いた道、出かけたところ、
場所とリンクしている記憶を思い出し、それを地図に落とし込んでみることで、
当時は気がつかなかったことが、何か見えてくるかもしれません。
ひとりではなかなか難しい作業を、一緒にやってみましょう。



[親や祖父母がご健在の方へ]
直接聞くのは気恥ずかしくてできない…という方は、ご自分の子どもの頃の「地図」を描いてみませんか。

例えば、今30代の方がご自分の幼稚園・小学校時代の「地図」を描くことは、
間接的に親(当時30代ぐらい)や祖父母(当時50-60代ぐらい)との関係性について描くことになるのでは、と思います。



■日時

6月23日(火) 19-22時


■場所
コワーキングスペース往来
http://ourai.jimdo.com/往来-について/

大阪市中央区谷町6-5-26 複合文化施設「萌」2階
(地下鉄谷町線「谷町6丁目」駅4号出口より徒歩3分)


■定員
5人



■参加費
1500円(お茶とおやつ付き)


■持ち物・準備
筆記用具
カラーペンや色鉛筆
思い出せる材料(写真やエピソードなど)
描きたいエリアの地図


・写真などを集めたり、まとめてプリントアウトしておいてください。
・思い出したり、親しい人から聞いたエピソードなどを書き止めておいてください。
・その人の生活圏がおさまる地図(広域/詳細)を印刷したものをご準備ください。(方法はお伝えします)


■タイムテーブル(予定)
・自己紹介 15分
・日常記憶地図についての説明 15分
・地図を描く時間 90分
・軽く発表 30分
・ふりかえり 20分



■記録・公開について
作成の様子・地図などの記録を取らせていただきます。
地図に関して、原則としてサイト公開はいたしません。(ご希望の方は、書式に沿って仕上げていただければ公開します)


■まとめについて
最終的に、各自冊子にできたらいいと思ってます。

日常記憶地図とは - ミオ(3→6歳)のお父さんの場合 -

ミオくんのお父さんが、日常記憶地図について思うことを書いてくださいました。


人にもまちにも強くフォーカスしているわけでなく、ある時期のある人の「暮らし」と、そこから見えるまちの様子に関心があること、
日常記憶地図が時間を含んでいること、に言及していただきとてもうれしいです。


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「道には思いや風景が念として残るし、映しだされるんだよ・・」

サトウアヤコさんが3年前からされているプログラムが「日常記憶地図」。
僕というか当時3歳の息子目線で大阪・谷町~からほりのまちを地図化していくことをしていただいた。

うちの子以外にも、このまちで生まれ育った人。仕事や生活のエリアの人。20年前のこの界隈で暮らされていた人。大阪市街地を南北や東西に移動するときに通り抜ける人。などが確か、サトウさんによって地図化されていった。


さて冒頭の「道には思いや風景が念として・・」学生時代に下宿の裏手に奈良時代に街道だったという山道があり、そこでは夜中になるといろんな足だけの風景が霊感ある人たちには見えると評判であった。
これはたぶん奈良時代からの日常風景やそこを通る人々の暮らしが時空を超えて、可視化された現象なんだろうな。ということを思い出しました。


サトウさんの「日常記憶地図」が面白いのは、まちが主役でもなく、選ばれた人が有名人や意図ある人でもない。たまたまこの回は谷町界隈であったが、違う土地でもいい。また縁あってうちの当時3歳の息子でやってもらったが、もちろん誰でもいいのかもしれない。
そして現在6歳になった息子でまた「日常記憶地図」をやってもらったら、それは3歳の息子の上書き保存ではなく、また別物となる。


じゃあなんなのか・・そのまちの或る人のそのときの暮らしが抽出されて、保存されていく。生まれ育った人になると長い年月になってしまうけど、本来は限られた時面(勝手に造語した。時という線を切り取って、暮らしやまちを面として捉えるという意味。)を地図化していくプログラムなんだと思う。
人生論やまちの紹介ではなく、いろんな人の暮らしが地図化された時面の羅列がこの「日常記憶地図」という作品なのである。


ただたまたま3歳の息子と23歳のここで生まれ育った方と20年前にこのエリアで当時20代の駆け出しとして暮らされていた方の「日常記憶地図」を並べたときに、この3者が共通点をお互いに感じて、シンパシーがうまれ、時面を超えて対話ができた。


サトウさんにはこの「日常記憶地図」を通して、いろんな人のいろんな土地のいろいろんな時代のいろんな暮らしを<フリーズパック>していって欲しいですね。

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ソトコト連載「メモリミックス!! 記憶が編みなおされる時」に取り上げてもらいました

アサダワタルさん(日常編集家)のソトコトでの新連載
「メモリミックス!! 記憶が編みなおされる時」で、

日常記憶地図 の主に上町台地編について、個人の記憶という切り口で取材していただきました。新連載のトップバッターとなれてうれしいです。
5/2発売の6月号に掲載されています。


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全4回連載に載せていただけるとのことで、今回はイントロ的な感じに書いてもらっています。
来月以降の展開を楽しみにしています。



日常記憶地図は、私が誰かの話を聞かせていただいたプロジェクトですが、逆に聞いてもらうことで改めてふりかえることができました。
私的な事情でこの2年半、進行がゆっくりなのですが、改めて今年の予定など立てることができる機会となり、感謝です。

日常記憶地図でできること「くらしのマッピングとパッケージ」

ミオくんのお父さんに、
「日常記憶地図は、人でもなくまちでもなく、くらしをマッピングしてる」と言っていただきました。ありがとうございます!


結果的に、3歳の頃のミオくんのくらしを、パッケージしたことになりました。(ミオくんは今6歳)
父親の立場から改めて読むと3歳当時のことを思い出して懐かしい、と言ってもらえてとてもうれしいです。


上町台地編は、過去の話を聞いたお1人を除き、7人中6人が家や勤務先が変わっていて、2012年ごろのみなさんのくらしを同じくパッケージしたことになるのだな、と最近思っていました。ちょっとせつないですね。



ほかにはこんな使い方がありますが、もっと別のことにも使えるよ!と思われた方ぜひ教えてください。mylifemap.hateblo.jp

「日常記憶地図」の使い方

今のところ、このような使い方が可能です。
ご自分で実施したい方、ワークシートをご用意しています。ご連絡ください


・1人で 個人の記憶から風景を立ち上げる
・家族間などで 親や祖父母の記憶や風景を継承する
・土地の人達で 個人的な記憶や風景から土地の力を見出す

日常記憶地図とは(2014年6月版)

土地への愛着はどのように生まれるのでしょうか。

そのひとつに「反復」があるにではないかと考えました。
よく行く場所、よく歩く道、よく行くエリア。
何度も歩くうちに、無意識にここちよい道を選んだり、
誰かとの思い出が生まれたりします。

みんなが好きな場所、良い場所ではなくても、
その人にとって特別な場所があること。

場所は記憶を保存します。
そのことも愛着につながるのではないでしょうか。

場所の力

ごく普通の都市のランドスケープに秘められた力であり、
共有された土地の中に共有された時間を封じ込め,
市民が持つ社会の記憶を育む力(ドロレス・ハイデン)


日常記憶地図は、個人の数年~数十年の日常や記憶、愛着を、
地図によりアーカイブすると同時に、
「場所の力」を顕在化させるプログラムです。