「弱い記憶」

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日常記憶地図のインタビューやワークショップを続けてみて、
地図を描いたり、話をしたり聞いたりしたりすることで初めて思い出される記憶や愛着、というものがあるのだと実感しています。



ミズホさんの話を聞いたときに、
「最初に「この町のどこが好きですか?」と聞かれたら、少し"盛って"言おうとしたかもしれないけれど、日常記憶地図を描いて話を聞かれた後だと、別のところが好きだったということが言いやすい」
と言ってもらいました。
ワークショップでは、それぞれの子どもの頃過ごした土地について描いて語ってもらいましたが、土地は違ってもなんとなく似通っている子どもの遊び方の話から、他の参加者が何かを思い出す、ということがありました。



「私はこの町のここが好き」と言うことができる記憶が、比較的記憶の表の方に位置しているとするなら、
底の方に沈んでいるような、「そういえば好きだった」というぐらいの、意識化されない記憶。
そういった記憶を取り出すことができれば、土地への思いが立体化するような気がしています。